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職人 りき です。
建築、建設現場でブロック積み等を仕事にしている・職人・です。
以前に何かをやっていて今はそれができていない、と言う人は結構いると思うんですね。
学生時代にスポーツや文化部に在籍していて、好きで続けたいけど環境が許してくれないと言う人も多いと思います。
普通に生きていれば結婚して子どもができ、当然忙しくなります。
若い人なら子どもが小さい時ぐらいに仕事も頑張りどころとなります。仕事だけに限らず新しい出会いや、お付き合い等も多くなるのもこの頃。生きていれば予期せぬ事情が発生し、その対処に追われる事も、当たり前のようにあります。
今は女の子もバリバリ働く時代ですから子どもが2人3人いれば、ほとんど自分たちに使う時間は無くなります。
それでも、よくしたものでカワイイ自分の子どもの顔を見るとなんの不満も無くなるものです。
人生が少しだけ長くなった昨今、子育てや仕事がひと段落してからでも何かをやり直す、何かをやり初めると言うのも全然ありですよね。
青春時代に置いて来た物も、きっとまだ・そこ・にあります。
5歳年上の先輩の家で次男坊とヒンズースクワットを一緒にするなどして本当に楽しい一時を過ごさせて頂きました。
100回目あたりから (500ぐらいいけそう) と言う感触はありましたが、さすが観察眼の鋭い奥さんが僕の顔色が少しずつ変わってくるのを見て「りきちゃん!300で終わりやで!お酒入っとるんやから危ないで!」と言ってストップをかけてもらって助かったと言う訳です (笑)
(代謝はヒンズースクワットで解消!小悪魔の予言的中 3日後の悲劇はあった?!)
その日以来つぶやく事が多くなりました。「トレーニング・・・かぁ」若い時なら何も迷わない所ですが、何せ50代真ん中前です。しかも仕事はブロック積みと言う力仕事。
全力とは言わないでも両立させるには、あまりにも長いブランク。
鏡に写った自分の裸も10年以上見てはいない。作業着の上からでも分かる見覚えのないカラダつきにゲンナリする事もしばしば。
トレーニングをすれば必ず仕事に支障が出るに決まっている。そうなれば、関わる人たちや家族に迷惑をかけてしまう事が地団駄を踏ませます。好きな版画でデザインTシャツ作りをたまの楽しみにしながら、それから尚も2年近くがたった、ある日の台所での夕食、晩酌をしながらカミさんと、ひょんな事からトレーニングの話になって「なんか凄いレベルを思っとらん?また、この年でコンテストに出るつもり?好きな事するだけやろ?バーベルに触って、はいタッチ、はい終わり!それではあかんの?それだけもええやん」
僕たちはトレーニングジムで知り合い結ばれました。若い時の取り組みを知っているだけに、説得力のある話を聞いて、なにやらつっかえていた物が取れた様な気がしました。
久しぶりに訪れた四日市体育館のサーキットトレーニング室。(現在では当時の建物は無く2019〜2020・5に立て直しがされて美しく立派な建物が今は建っています。)
僕が初めてここに来たのは14歳、中学2年生の時です。一番多い時で体重が120キロ近くありました。
当時、今程のトレーニング科学が発達していなかったし、情報不足も手伝って先輩達に習いながら、手探りで鍛えるしか有りませんでした。( 腹筋? 吐くまでやれ!( 笑 ) )なんて、とにかく根性論の塊りのような人達の集まりで、その絵を指し誰が言ったか別名「 虎の穴 」
25年ぶりに来たトレーニング室は若い時と変わらず、新しく入ったマシンが3つとプレート (バーベルの両端につける鉄の輪 ) の数が少し増えていました。
さっそく今どれくらいの力量があるのか推し量る。
まずはお決まりのベンチプレス (ベンチに仰向けに寝て胸の筋肉を使って持ち上げる種目 )まずは20キロあるバー だけで。
( お!お!思い!いや違う!重い!)
10回があがらない。誰もいないのも手伝って大きな声がでた。
ウッソォ!んんな!バカな!
一番あがった時で152.5キロ、ウォーミングアップでも、いきなり80キロからやっていた記憶がよみがえる。
普段最低でも10キロはあるブロックを持っているのだから、そんなにはと思っていたが多いにナメきっていた。こういう動きをすると調子の悪い所もよく分かります。若い時に壊した左肩がズキンと痛みました。
( なにがトレーニングや、まずはリハビリからやないか 。基本から、一から出直しやな)首をかしげて苦笑いがでる。
・・・・まだ、終わらない・・・・
・カムバック・
カッコイイかなと思ってこの言葉を使ってみたんですけど、自分的には (復帰 )するとか (再起 ) すると言う意味にとらえていたんですが調べてみたらどうやら間違いないようです。
で。僕今までこの言葉、カンバックって呼んでたんですね。学の無さがこう言う所にでます (笑 )
以前やってたんだけど事情があって
ブランクをつくってしまった。
やり込み過ぎて少しだけ休むつもりがいつの間にか時間が過ぎてしまった。
卒業を機に違う事を初めるつもりがそのままになっている。
いろいろな形で間が空いてしまって
又やり直すと言う人も、たくさんいると思いますが、その間も2年とか3年ならまだいいですが10年以上となると、なかなか大変です。
感覚と技術を戻せばなんとかなると思われがちな文化的な作業 (絵を描くとか楽器を持って演奏する等ですね)ですが何年もやっていなかった人が又始めると言う時には、注意が必要です。ある程度やり込んだ人はその作業に応じた体は一度はつくられていますが、ブランクの間に弱体化した体幹はすぐには戻りません。
立ちっぱなし、長い時間、座った状態から、いきなり動いたひょうしに( 腰がグキッ!) と言うお話はよくあります。
この手の体作りはその作業の中で慣らしていくのが一番ですが、復帰後しばらくは、こまめな休憩と軽めのストレッチを挟みながらやりましょう。もちろん水分は手の届く所へ置くようにして下さい。
僕もたまにする版画作業ではすぐに時間が経っちゃうですよね〜( 笑 )
体を直接使うスポーツの世界では言うに及ばず最大限の慎重さがいります。
1年程前になりますが僕が整体師としても活動していた時にクライアント様だった男性と偶然お会いしました
。僕が診させて頂いている間にかなり改善されたと思われる腰痛で整形外科に通っていると言います。
還暦を機に長い年月離れていたゴルフを再開しようと打ちっぱなしの練習場へ通っていたら、それを聞きつけた昔のゴルフ仲間からコースへのお誘い。クライアント様のハリキリようはハンパでなかったようで、コースへ行くまでの一週間連日で練習場へ。僕の推察ではこの時点で背骨や体中の筋肉は、やめてくれ〜!もう勘弁してくれ〜!と悲鳴の声を上げていたに違いありません。
さぁコースに勇んで出たコースでの3打目クライアント様のガラスの腰はパリンと割れてその場にうずくまる事に。
クライアント様のせめてもの救いはコースに一緒にいた仲間の中に医療関係者 (看護師)がいてくれた事です。大事をとって動かさず救急車をよんだ処置はさすがです。
もし、これが無かったらもっとヒドイ状態になっていた事は明白です。
クライアント様が別れ際
「りき先生から言われた事をもっと早く思い出していればこうならずにすんだかも・・ですね」と言ってくれました。
診させて頂いている間にクライアント様が「ゴルフはできるようになりますか?」の質問に「違う趣味を見つける方がいいと思います」と答えたのが記憶に残っています。
このクライアント様は僕が出張施術で頑張っている時にどこに行っても治らない腰痛をなんとか良くしてほしいと言う依頼を受けて診させて頂きました。
普通の手順でいけば、まずアンケートを取らせて頂いて、問診、視診、触診、念蜜な検査をしてから施術となりますが、クライアント様の場合視診の段階で生まれつき持っていると言う股関節の異常で左右の脚長差が3センチも違うという状態でした。
腰痛の原因がそこにあると確信すると、まず股関節と少し痛むという膝関節の施術を根気良く続けた結果、完全とはいきませんでしたが、かなりの改善がみられ、それに伴って腰痛も良くなっていきました。
しかしながらクライアント様の体は長時間の歩行やゴルフで行う独特のヒネリを伴うスイングに耐えきれないと判断し、キツかったかも知れませんが、他の趣味を探すように言わせていただきました。
この時、クライアント様はまだ30代、若いうちに違う楽しみを見つける方が良いと判断したのです。
あとのお祭りですが、クライアント様の場合ゴルフを再開してからコースへの再デビューの間が、短過ぎた事と一週間連日で1時間以上の練習は、60歳と言う年齢を考えても、明らかにやり過ぎでした。
コースへ出るのは数か月先のお楽しみにして、復帰してしばらくの間は練習も明日に疲れを残さない程度の頻度で行いながら体幹を鍛えるトレーニング等で体を整えてからコースに復帰するのが、良かったのです。
クライアント様は言っておいででした。「練習はじめて、間なしにコースへの誘いでしょ。もう、嬉しくて嬉しくて、いい年をして目の前が見えてませんでした。ホント面目も何も、あったもんじゃないです」
何かに没頭できる事は、ある意味素晴らしい事だと思います。
ただ、復帰をするのであれば、その時の年齢や力量を考慮し、冷静な判断を怠らないようにしたいですね。
その時の年齢に応じた、やり方が有ると思うのですが、どうにも、こうにも気持ちだけは・・若いまま ( 笑 )
「くれぐれもお大事になさって下さい。油断は禁物ですよ」
と言って去ろうする僕にクライアント様が僕の目をしっかりととらえながら「りき先生、整体に復帰する時は私に一番に連絡下さいよ」そう言うと、目じりのシワが・・ニコリと・・・ひとつ・・・
現在では多く見かける事のできる整体院、カイロプラクティック、マッサージ店ですが、これらの施術院がまだ、とても少なかった時のお話しです。
補足的にもうひとつ。
かなり以前のお話になりますが、工事現場で久しぶりに会った若い子が松葉杖を使って歩いて僕の所までやって来ました。僕が、
「ほぅ、似合わんが、なかなか格好いいぞ」と言うと、その若い子は「やめて下さいよ。りきさん・・・やってしまいましたよ」
何の話かは痛々しくギプスにまかれた足を見れば考えなくてもわかりますが、何も言わず耳を傾けました。
まだ30代前半のこの若い子には小学生の子供が2人いて、一か月程前に運動会があり、保護者だけで走る徒競走に参加したのだそう。
運動に覚えの有る彼は準備体操もストレッチもせずにいきなり走りました。ヨーイドンで駆け出したその時( ブチン!) にぶい音が聞こえるような気がしたと言います。
アキレス腱の断裂です。子供の前でカッコイイお父さんを見せようとしたのが仇となってしまいました。
子供に早く走れる所を見せたい余りに、走り出しのウォーミングアップをする事さえ頭に無かったと言います。
彼は元高校球児で、もう少しで甲子園に行ける所まで頑張った人です。
小学生ではじめた野球で将来は甲子園に行きプロになりたいと両親にも言っていたそうです。朝夕問わず懸命に練習に励み、中学生の時に好成績を上げた彼は、地元でも野球で有名な高校に進学します。
一言で済ましてしまうには惜しい程の努力の積み重ねですが、以前にやっていたと言う過信がまねく悲劇の一例です。彼程鍛え込んだ人でさえ10年以上のブランクに神様は、非情の鉄槌をうちます。
このお話しは (復帰 ) とは少しズレますが、もし、この文章を読んでくれる人が、居てくれるとしたら、少しでもお役にに立てばと思い、取り上げさせて頂きました。
以前何かを、やり込んだと言う自負を持つ人は基本ができている筈ですね。ブランクからの復活はまずは基本に帰る謙虚さが欲しい所です。
50代半ばを過ぎた今、いろんな意味で、もがきながらも頑張ろうとする自分に、嬉しさがふくらみます。
・・・相当に、疲れますが ( 笑 )・・
不定期にしか取り組めない、もどかしさを感じながらするトレーニングも、「まぁ、50代なんやから、こんなもんさ」と思えば、気が楽にできます。
と言う訳で、そうです。やっぱり
・・・頑張ろうぜ、50代・・・・
・・・・まだ、50代・・です (笑 )
ありがとうございました。
ごめん下さい。