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職人りき、です。
建築現場で主にブロック積み等を仕事にしている「職人」です。
五月ですね。・さつき・とも読みますよね。なんとも風流です。
この時期が来ると子供達がまだ小さかった頃、岐阜県海津市にある国営、木曽三川公園に遊びに行った時の事を思い出します。生まれて間のない長女を抱っこしてあやしていると、まだ5歳だった次男坊が「父ちゃん、アレ見て、あの花たち笑ってるで!」 指をさす向こう側には、赤や黄色が艶やかなチューリップのお花畑が。
隣りに座っていた6つ年上の長男も「ホントや!」
大人になると分からなくなってしまう子供の感性に「おぉ!」っと唸ったのが昨日のようです。
あの日以来チューリップをみかけると「ウン、笑ってる笑ってる」と思いながら含み笑いがでます。
ゴールデンウィークはやはり子供達が小さかった頃、遊びに行く所全てで酸素の足りない状態を経験してからは、なるべく仕事を入れて、時期を少しずらして日帰りで家族で遊びに行くというのが定番になっています
今年も例年のように、あらゆる所で家族で笑って、遊びに興じている姿を見る事ができる筈でした。
桜を彩る提灯をひとつも見る事も無く、遅咲きの桜も最後の一花を風に舞かせ、いつの間にか葉桜へと装いを変えました。
・・・・・そうです・・・・・
憎っくきコロナウィルスは世界中を駆け巡り、人々の貴重な命、生活、そして庶民のささやかな楽しみまで奪いとる。
コロナが本格的に騒がれ始めた頃、仕事帰りにひとつのLINE。
・・マスク、ティッシュ、トイレットペーパー売ってるの見たら買ってきて・・
もちろん近所の奥さんがしてくる筈がなくLINEの主はカミさんです。俗世に・うとい・僕は何事?と思い聞いてみるとコロナの影響で・・・二つのスーパーと三つのコンビニに足を運びますが一つも手に入らず。どこのお店もそこの棚だけがカラッポ。何十年も前、オイルショックがあって「このまま物が無くなったらどうしよう」等と子ども心に思ったのを思い出しました。その時とは事情が違うとはいえ、使う物が無いというのは不安な気持ちにさせられます。健やかさが脅かされる事情ですから尚更ですね。
それでなくとも我が家では僕以外の皆んなが鼻炎や花粉が大変で多少の買い置きはあったものの「長引くと大変」カミさんの一言は的中して昨日、愛娘がやっとの思いで買って来た一箱のマスクで「洗って大事に使おうね」等と言いながら大騒ぎでした。
オーストラリアに住んでいる次男坊から一つのLINE。
・コロナのせいで閉じ込められた・
このLINEがきた時点ではスーパーに行っても、品数が少ない状態だったそうで食品等もほとんど無かったそうです。勘が少々いい次男坊は前もって食べる物等ドカ買いしたのでなんとかなったそうです。今ではかなり回復してきているとの事。
海外のロックダウンはかなり厳しいようで「日本とは全然ちゃうで」と言っていました。次男坊の住んでいる所は田舎の方らしく結構安心して暮らしているとか。 でも、ロックダウンが解除されれば又人が多くなってどうなるか分からないので様子をみながら帰り支度をしたいとも言っていました。親としては心配が尽きない訳ですが、かと言って日本にも安全な場所が無いのが現実です。
顔を見たいのはやまやまですが帰る途中でかかってしまう恐れも有るので「くれぐれも慎重に、気をつけて行動しなさい」と何度も伝えました。
・・・・まだ、終わらない・・・・
昭和の約後半、平成、そして令和の初まり、三つの時代の体験者になりましたが、この前代未聞の出来事にそれでなくともあまり良くない頭の中が、おかしくなりそうです。風邪で寝込んだなんて僕の記憶が正しければ、本当にまだ小さかった子どもの頃だったような。
風邪もひいていないのにマスクをして歩くなど生まれて初めての事でこの息苦しさに少々困惑しています。
仕事の帰りにコンビニに入る前マスクをつけようとして、耳にかけるゴムの部分を指で弾いて下に落としてしまって、落ちた所が水溜りで・・思わず声が出て・・・
どんぐっさぁぁ! 洗ったばっかやん!
・・・・・もうひとつ・・・
喉が乾いたので冷たいお茶を飲もうとして、そうです、マスクしてるの忘れてて、ズボンのファスナーの回りが・・・
冷たいのに ファイヤー!って
ごめんなさい、調子にのってもう一個。スーパーに買い物に行って長い長いレジの行列を済ませて買った物を袋に詰め終わる頃、たぶんレジに行っている奥さんを待っているのか、僕よりも少し目上だと思われる兄さん。顔がマスクかっ?!って言うぐらい大きなマスクをして僕の斜め前に立っていて、ジャンバーのポケットに手を入れるとガムのボトルを出して手のひらに三つ。そうです、無情にもマスクにはね返ったガムは兄さんの足元にバラバラと、兄さん目を丸くして
・・・・・固まった・・・・・
少し動いた目の先に僕がいて、目が合ったからには仕方がない、ココはひとつ僕が決着をつけねばと一言。
「兄さん、大丈夫!僕それ、笑えんから!」
その回りに居た四人の奥さん達も目は笑ってるけど顔を立てにうなずいて
・・・・ウンウンウン・・・・
・・・みんなやってんだー〜!・・
マスクをはずしても息苦しい毎日です。コロナ騒動はまだ続きそうです。終わらない闘いに疲れ切った時、又、違う問題が起きないか心配です。一介の職人が言うのもなんですが、
今こそ、みんなの・しっかり・が大事ですね。
建築業界に身を置いて四十年が過ぎました。伝染病で現場にストップやブレーキがかかる等初めての事です。ほとんどのお店や産業に悪い影響がでていて、僕もそうですが生活を脅やかす事態に顔が青くなります。
志村けんさんがコロナウィルスに感染してお亡くなりになりました。この方の笑いで少年時代を過ごした僕達世代のショックはかくしきれません。悲報が耳に入ったのは普段は滅多に乗らない3トンダンプの中、たまたまかかっていたラジオからでした。小学校でイジメられた時も、土曜日の夜には必ず笑える時間を約束してくれた方でした。
数々の名シーン、その時に起こった身の回りの出来事が一度に思い出され、気がつくと、顔が熱くなり、
目から、ほろりと・・・ひとつ・・
まだまだ、日本じゅうを笑わせてくれる筈だったのに・・・周りの人達や動物に向ける、あの優しい目がわすれられません。
日本国が誇る至宝を、よくも・・・
コロナよ!もういい加減にしないか!世界中の人々が苦しんでいるんだぞ!
コロナよ!よおく見ろ!お前のせいで、いつも笑っているチューリップが、泣いているじゃないか!
・・・がんばろうニッポン・・・は、まだ果てしなく続きます。
・・一人ひとりができる事を・・
ついでにと言っちゃぁなんですが。
・・・・頑張ろうぜ、50代・・・・
・・・まだ、50代「笑」・・です。
ありがとう ございました。
ごめんください。