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職人、りき、です。
建築、建設現場で、ブロック積み等を仕事にしている、職人です。
お施主様がみえる現場にお世話になる事もたまにあるのですが、多くのご家庭には、定年を迎えられた、基本的には家にいる、お父さん、お母さんの姿があります。
「どこか遊びに行っといでって言うんですけど、定年になってからテレビばっかりみて外に出ようとしないんですよ」と愚痴をおっしゃっるお母さんがいると思えば、お昼まではゲートボールで汗を流し、一旦帰るとすぐに出掛けて囲碁クラブに暗くなるまで、入り浸り。「元気なのは、ありがたいんやけど、チョットはジッとしとったらって言うんやけど、仕事せんようになった途端に元気になりよってからに」 ( 笑 )それでも、このお母さんは嬉しそうに話します。
ちなみにテレビのお父さんは65歳まで、ゲートボールのお父さんは70歳まで現役で働いていたそうです。
4つも年が違うのにゲートボールのお父さんの方が、断然、気が若い。
もちろん、テレビを観るのがいけないなんて言うつもりはありませんがやはり、好きな趣味を持ち、動いて汗をかく、それが一番良いようです。
僕の仕事場となる工事現場では、ほとんどの ( 全部か？笑 ) 工種で仕事が趣味 (笑 )のオジサン達が嫌でもかく汗にまみれます。
上昇していく工事現場で働く作業員の平均年齢。もはや主軸となって動くのが若い子達とは限らないように、なってきました。
年をとったから苦しそうに働いているかと言うと、そうでもありません。むしろその逆でして、60代、70代、80代の先輩達の元気ぶりには頭が下がります。
ブロック積みが間に合わないから、助けて欲しいと言う仕事が入り、言われた現場に行ってみると、4人グループの土建業者の人達がいました。
一番目上の親方、なんと86歳、一番目下の人で72歳、他の人も80代と70代。実はこの人達とは、初めてではなく3年も経たない以前に一緒に仕事をしていて、とても楽しく、まるで息子のように可愛がって頂きました。現場に着き、車から降りた僕に、4人そろって
「りきちゃん！いらっしゃい！ 」笑
・・ま、まだ・・やってたの？・・
86歳の親方、初対面の僕に向かって「なにぃ、50代ィｨまだまだ鼻垂れやんけえ」と言われて、鼻は垂らさなくても目を丸くさせられたのと、現場の忙しさにかまけて、お父ちゃんと呼んだら真っ黒の四角い顔でニカーと笑って喜んだのを、思い出し笑いをしてしまいました。
笑ってばかりもいられないので、急いでいる現場を少しでも早く片付けようと動きます。
僕の仕事パターンを覚えていてくれていた4人は、僕が来る前日に１時間の残業をして段取りをしてくれていたそうです。悪い足元を重機で整備をして、一個15キロあるブロックを重機と手作業で運んでくれていたのを、現場監督が僕の耳に入れてくれました。
「りきちゃんがつまずいたらあかんでその杭も抜いとけ！」
「ブロックをもっとよせとけ！りきちゃんが取りにくいやろ！」
等の4人のやりとりが大きな声で飛びかっていたそうです。
急いでいる現場とは言え80代、70代の人達が、僕のために・・残業までして・・・
そして、その事を、4人の人達は僕に一言も・・・言おうとはしない。
重機の爪がとどかない所はスコップで人力作業になります。80代の土工さんが、一人で頑張っていると86歳のお父ちゃんが「チョット休憩せえ、ワシがやる」と言って剣スコップ ( 先の尖がったスコップ ) を力強く振るいます。交代を繰り返しながら、アッという間に大量の土を掘ってしまいました。
できない事はないけれど、若い時程には出来なくなった事は、力を合わせてやる方が結局仕事が早いし、体にかかる負担も少なくて済みます。
一番目下の72歳の兄さんは3人のお世話係が仕事で、それぞれが無駄のない動きがとれるように、先回りをしながら道具や資材を持って、少し大き目の現場の中を所狭しと、跳びまわります。
常に、小走りに動く様を見て、いつも颯爽と現れて手早く見事な仕事を見せてくれるあの人達を思い出して「佐川急便かっ！」ってツッコミを入れたくなりましたが。( 笑 )
間を見つけて僕のお手伝いもしてくれるのですが、80代の土工さんが呼びます。「オイ！小僧！釘が無いぞ！箱ごと持ってきてくれ！」
・・・・72歳を・・・小僧・・・
僕と目を合わせた兄さんが
「なぁ、りきちゃん、この年になって小僧って呼んでもらえるんや。ホント、ありがたい事や」そう言うと
、シワだらけの細長い顔をゆがませて、二シャリと笑いました。
お年寄りを言い訳にしない、歴戦の
勇たちが、この現場には居ました。
僕の仕事と言えば、監督さんが2日で終わって欲しいと言っていた所、前倒しで、その日一日で納める事ができました。幅が15センチあるブロックを、その積み数230丁。プロの世界では別に驚く数量ではありませんが、16時を待たずに終了の目処がみれたのは、前日に完璧に近い段取りをしてくれた4人の働きとチョクチョクと僕の所に来てお手伝いをしてくれた兄さんのおかげです。
美しく、歩きやすい足元から心が伝わってきます。
( 心には心で返す ) そう思う気持ちが最近なかった体のキレを呼びました。
作業が終了し道具を軽トラックに積み終わる頃、違う現場に行っていた監督が戻ってくると、驚いた顔を見せて「この一日の前倒しは本当に助かります。これを一人で積むなんて、できるものなんですね」
「いや！今回の仕事は完全に・・・チームワークの勝利です！」僕がそう言うと、大きくうなずく監督と4人の姿がありました。
高齢化社会に向けてドンドン、歩を進める日本列島ですが、工事現場では、僕からみても大先輩 (笑 )達がたくさん活躍されています。
86歳で現役の現場人といえば、そこまで辿りつけない方々も多い事を考えると、特例中の特例と言えます。
肩を組み合わせる程仲良くさせて頂いたのを機に、少しの間でしたがお話をしました。やはり一番興味があったのは
・・・毎日、なに食べてんの？・・
朝の納豆は欠かさないそう。他には生卵と大根おろし、赤だしに自然薯をすりおろして入れる事も。
お弁当にはほとんど焼鮭としぐれ、
梅干しが入っているそう。
夕飯は晩酌をするので、お刺身とお豆腐が多く、ご飯は気が向いた時だけ食べるのだとか。50代まで毎日一升ずつ呑んでいた日本酒も今では五合 ( しか ？)呑まないそう。( 笑 )
・・地元の松坂牛は食べないの？・
毎週末には焼肉屋さんにいくとか
大好物は、豚足とホルモン。
タバコはキツいピースを一日一箱。
「・・・・・・・・・・・・・。」
・・・野菜は好きじゃない？・・・
芋と豆も食っとるしこの歳になって口を何回も動かすのは辛どいとか(笑)
・・・健康診断は受けてる？・・
いろいろと言われてはいるものの、血圧が正常に近い所にキープしているのは医師も驚くとか。
・・・・お相撲、やってた？・・・
初めてお会いした時、肉体労働だけでつくった体ではない事はすぐに分かりました。ズンムリムックリの体型で判断したのではなく、盛り上がった肩の筋肉、首、腕、脚はただ太いだけでなく、鍛えなければ行き着けないレベルで、若い時、相当鍛えたなと思ったからです。
それもそのはず、若い時、村祭りで行われる祭り相撲では大関 ( 横綱は無く大関が最高峰 ) を6年間務めたそうです。
一日何十回とシコを踏み、大木をあいてに、ぶつかり稽古、丸太を短く切ったのを担いで険しい山道を往復するなどの訓練をしたそうです。
少し体に触らせてもらったのですが、作業ズボンのベルトからはみ出る脂肪ののったお腹は別として、なるほど、血液は喜んで流れているのではないかと思わす、筋肉の弾力でした。
・・・これかぁぁぁ・・・
人の体の中に流れるいろいろなエキス。血液、リンパ液、コラーゲン、ホルモン、等に免疫力が加わって、体の強弱の有る無いを、( 人それぞれ )と表現するのだと解釈しているのですが。
実は食べる物では、僕の好みと似ている所が多くて少し驚きましたが、朝食はいいとしても、お弁当は焼塩鮭が一切れ、梅干し一個、しぐれをひとつまみ。これに納豆を一個追加したのが僕のお弁当なんですが、普通で言えば塩分の取りすぎとなり、これだけで一日分の摂取量の半分を超える事になります。
お刺身やお豆腐にもお醤油は使うでしょうし、昼食と夕飯のメニューだけで血圧の高目の人が真似をすれば、すぐに体が悲鳴を上げます。取り入れるとしたら量です。
朝食や夕飯も摂る事を考えると、他に二品の野菜物の、おかずがあれば鮭や梅干しは、半分ぐらいの量でよさそうです。
鮭に梅干し、漬物といったお弁当のメニューは現場で働く労働者では定番と言える程多いです。割と安価で済みますし、栄養も摂れて夏だと少し多目の塩分も摂取できますので、一石三鳥な訳です。
毎週末に行く焼肉屋さんはせめて月に2回に、五合のお酒も二合にすれば、ほぼ体に良い食事をしているのではないでしょうか。
お父ちゃんの場合、体を使う仕事がら、そしてこの年齢ではほぼ有り得ない少し大きめの筋肉が代謝を促しますので多少のカロリーオーバーは大目にみて有りです。
豚足からは大量のコラーゲンが摂取できます。ホルモンも少し食べたいのなら、二本は食べ過ぎですが (笑)
お魚からしか摂取できない栄養は、お刺身だとよりリアルに摂る事ができます。お醤油とわさびだけで頂けるので、余分なカロリーを入れなくて済みます。
そしてなんと言っても、お父ちゃんの元気な体に大きく貢献していると思われるのが、毎日お弁当に入っている ( 鮭 ) です。
僕も大好物だからと言う訳では有りませんが、とにかく最強です。
・鮭パワー・
以前お世話になっていた会社の左官職人さん ( 当時50代 ) と現場がよく一緒になり、昼食も並んで食べました。ワッパのお弁当箱のふたを開けると、いつも鮭と漬物がご飯の上にのっていました。若い時からお弁当には毎日大好きな鮭が入っているそうです。
70歳になられた時、この度、引退させて頂きますと、挨拶の電話を頂きました。ところが腕の良さを惜しまれて、後進の指導を理由に引き戻されてしまい、75歳になる現在も現場で腕を振るいます。・・やはり鮭・・・か。
やっと本題です (笑 )
スーパーフード。スーパーアンチエイジング。もうこの言葉で呼ばれているだけで只者ではない事が分かります。
・・・アスタキサンチン・・・
サーモンピンクと呼ばれるあの美しい色はこの栄養素で成り立ちます。
鮭を語る上で欠かす事のできない、ダイナマイト級の栄養素です。
非常に強い抗酸化物質があり、この栄養で知られるビタミンCのナント6000倍、カロテンの100倍、ビタミンEの1000倍もあるのです。
細胞内の外側、内側、所選ばず効果を発揮します。
シワの抑制、眼精疲労の回復作用
筋肉疲労の回復、体全体の疲労回復
免疫力アップ、記憶力の向上
なんと言っても老化防止に一役かってくれるのは嬉しいですね。
活性酸素を中和する力を持っていて、肌荒れ等の美容関係だけでなく、生活習慣病の予防にも期待が持てます。
ビタミンCと一緒に摂るとより、効果的だそうです。ムニエルには是非レモンを添えて。
特に赤色のつよい紅鮭に多く含まれているそうです。
尚、イクラにも同じ効果が有るとされ、エビやカニ、鯛にも含まれていると言われています。
・・・DH A・・E P A・・・
フィッシュコラーゲンと言われ、非常に良質なコラーゲンを持っているだけでなく、人間が生きて行くのに欠かせない必須脂肪酸のひとつである・DH A・E P A・が豊富に含まれています。特に皮のすぐ下の脂質に多く、是非皮ごと食べましょう。
尚、糖尿病や心臓病の予防にも効果を発輝するそうです。
DH Aー悪玉コレステロールの減少が
期待できます。
脳の活性化を促す効果がある
と言われています。
記憶力を向上させる栄養素です。
今から大事な勉強をする前に食べるといい成果がでるかも。
E P Aー血管の中で血小板が固まるの
防ぐだけでなく、血中の中性
脂肪を減少させる効果がある
とされています。
いずれにしても、中性脂肪を減らしてくれる働きは嬉しいですね。
・・・・アンセリン・・・・
通風の人、高尿酸値の人に朗報です。
鮭の持つ栄養素のひとつで、通風の改善や尿酸値を低下させる働きがあるそうです。まだ、あります。
筋肉にたまる乳酸をエネルギーに変える働きが有るって、体を使う人には嬉しいですよね。
・・・・セレン・・・・
活性酸素を直接分解する効果があるそうです。ビタミンEと一緒に摂ると、よりセレンの働きが良くなると言われています。
既にできてしまった余分な、活性酸素をヤッツケてくれるなんて頼もしいです。
・・・・・リン・・・・
この栄養素も多く含みます。
約80%がカルシウム、マグネシウムと力を合わせて、骨や歯をつくる成分となります。あとの20%は脳、神経、筋肉等、各分野に運ばれてエネルギーと脂質の代謝に大きく貢献します。
・・・・・ビタミン・・・・
鮭は非常にダイエットに向いている食品である事が解っています。ひとつの理由にビタミンの豊富さです。
ビタミンは水溶性と脂溶性に分類されている事は多く知られています。
鮭に含まれるビタミンはVB群、 A、C、D、E、が多く占めます。
B1・・水溶性です。糖質を分解する
働きがあります。
B2・・脂質の代謝を助け、皮膚や粘
膜の健康な状態を守ります。
B6・・体の中で働くアミノ酸の合成
を助け、髪の毛や皮膚の成長
を促します。又、免疫力を維
持するのに欠かせない栄養素
です。
B12・・糖質、脂質、タンパク質を
代謝し、エネルギーに変える
役割を果たします。
V.C・・コラーゲンの働きと非常に大
きく関わります。皮膚や粘膜
を正常に保ち、余分に発生し
た活性酸素から細胞を守る役
割りを果たします。
V.D・・脂溶性です。カルシウムやリ
ンの吸収を助け、丈夫な骨を
を作るのに欠かせない栄養素
です。骨粗しょう症の予防に
大きく貢献します。
脳神経を正常に保つ働きがあ
り多目に摂る事でアルツハイ
マーや認知症の予防に効果が
あるとされています。
V.E・・脂溶性です。毛細血管を広げ
て血流を良くし、コルステロ
ールの数値を下げる効果が有
ります。又、血液に含まれて
いる脂質の酸化するのを防い
でくれます。
他にも良質なタンパク質、ナイアシン、葉酸、カリウム、マグネシウム
鉄、亜鉛、等本当に栄養満点です。
大豆イソフラボンが鮭に含まれるビタミンDと相性がバツグンで鮭と納豆を一緒に摂るとお肌にとても良いそうです。数年前70代に見られていた時が有りましたが、最近そうでも無いのはお昼にこれを摂ってるせいかな？・・・ナンテ ( 笑 )
かぼちゃにも抗酸化物質とビタミン A、ビタミンEが多く含まれていて、鮭のタンパク質とアスタキサンチンを同時に摂ると老化をストップさせるそうです。
ミオグロビンと言う成分の含有量で白身魚と赤身魚に分類されるそうです。鮭は白身魚だったんですね。
僕の住んでいる三重県四日市では、鮭の事を「シャケ」と呼ぶ人が多いです。調べてみたら、サケでもシャケと呼んでもどちらでも、間違いでは無いようです。
シャケの方がナントなくカワイイし呼びやすいと思っているのですが。
鮭にも近くのスーパーで手軽に買える物から、取り寄せないと手に入らない高級な鮭までいろいろ有りますが、とにかく栄養満点で旨味成分でご飯のおかずにもなって、飽きがこない・・・・最高です。・・・・
そう言う事で・・・そうです。
シャケい〜っぱい食べて・・・
・・・・頑張ろうぜ50代・・・・
・・・・まだまだ50代・・です・・
ありがとうございました。
ごめんください。
ps 話の終わりに「良い背中を見せてもらった。ありがとうございました」と言うと、お父ちゃんは「わしの方こそ久しぶりにええ仕事を見た。職人なんぞやっとりゃぁ50、60が華や！体壊さんように頑張れ」そう言うとニカーと笑った顔を見せてくれました。 心の底から「ハイ」と言えたのは何年ぶりの事か・・・
ふと、見上げれば・・・一番星が・・
・・・キラリと・・・ひとつ・・・