ご覧頂きありがとうございます。
職人 りき です。
建築、建設現場でブロック積み等を
仕事にしている、職人 です。
最近、ジョギングやウォーキング、
スポーツタイプの自転車で颯爽と走る人、人。本当に多く見かけます。家トレ。外トレ。と言って軽めのダンベルや自重を使ってトレーニングを始める人が増えているのもトレーニングを愛する1人として、大変嬉しく思っています。
今流行りの外トレですが、僕が若い頃はジムと言える所が少なかったので普通に公園等に行って体を鍛えたものでした。
27年も以前のお話になりますが、県のボディビルコンテストに出場させて頂いた時、積み立てをしたお金で一緒に旅行に行く程仲良くさせて頂いていた、沢山の方々が花束を持って応援に駆けつけて下さいました。僕にとっては、この大会であげた実績よりも頂いた花束の数の方が大事に思えました。持ち帰った多くのお花を見、涙したのが昨日のようです。かけがいのない思い出を友に、いい歳をして踠きながらも今日も元気で生きています。何かの折にこの文章が目に止まってくれる事を夢に、夢に思います。その節は大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。
昼下がりに終わった仕事の帰り道、立ち寄ったコンビニの駐車場で突然「おい!りき!りきやろ」
声の主は僕がまだプロレスラーを目指してトレーニングに熱を入れていた時に知り合った、五歳年上の
先輩で高校、大学と陸上一筋に情熱を捧げた叩き上げの猛者。若い時によくトレーニングをご一緒させていただき、いつの間にか先輩と呼ぶようになりました。
「お久しぶりです。お元気でしたか」挨拶をするのに近くまで行って目を見張った。若い!当時僕が53歳の時だから58歳です。どう見ても僕と同じぐらいか下にも見えました。
僕が30歳の時に県のボディビルコンテストで表彰台に乗った時、花束を持ってご夫婦で応援に駆けつけて頂きました。大会が終わりレセプションが始まる前に一旦フロアーに出て見ると少し遠目な所に先輩夫婦の姿がありました。
「おめでとう!」と言ってかけよってくれる何人もの人に「ありがとうございます」と言いながら挨拶をしている僕に手の平をこちらに向けて「俺のほうは後でいいから」と合図を送ってくれる姿がスポーツマン紳士・カッコイイ人・がそこに居ました。
「先輩!今日はありがとうございます。花束までいただいて」
ありがとうございます。を連発する僕に先輩は
「りき!おめでとう。よかったぞ!お前の生活環境でこの結果は凄いぞ、俺は全部見ているからな」
力強く握り合った手の感触は今でもハッキリと覚えています。
その日から間近に一度お会いしていますが先輩が仕事の関係で大阪に行かれた事もあり22年ぶりの再会。
「走っていますか?」僕の質問に週に2回、ジムでするトレーニングと、会社に行く前に10キロのロードワークは欠かさないと言う。余程の豪雨でない限りレインスーツを着てでも走ると言うから頭が上がらない。
「時々、カミさんと、りきはどうしてるかななんて言ってんだぞ、どや、久しぶりに今から家に来て一杯飲らんか」のお誘いに、もちろん
お断りする筈がありません (笑)
手ぶらで行くのも気が引けたので、奥さんも大好きな日本酒を二本買って教えてもらったお宅に伺った。
チャイムを押すと出迎えてくれたのはやはり22年ぶりの奥さん。
「りきちゃん!久しぶりやんかぁ、元気そうやぁ」
・・・・・えっ?・・・・・・
たしか奥さんは先輩よりひとつ年上のはず・・・やはり・・若い・・・記憶をたどらなくても出身地の大阪で幼少の頃より始めた合気道は有段者の腕前だと言う事は知っていました。
今ではヨガの教室をしていると、さっき先輩から聞いたばかり。
鍛えると言う事は体の中に流れるエキスをこれほどまでに透き通らせてしまうものなのか。
美魔女と言う言葉があるが、もちろん魔女でない事はわかっているが、このご夫婦の時空間だけは人よりも少し遅れてやってくるのかと思わされました。
鍛えると言う意味では同じジャンルの趣味を持ち、生き方も共感できる友との酒が楽しくない筈がない、ただ、20年以上ブランク中の身としては (昔やっていた範囲) の中でしか話せないのが悲しい。
テーブルじゃ落ち着かないだろうと言って、ガラステーブルをちゃぶ台がわりにして胡座をかいて飲み交わす。
普通、あぐらで座ると背中が丸くなるものだが、先輩、姿勢を崩すことなく静かにお酒を口に運んでいる。
奥さんが台所にいる間先輩が「りき、日本酒なんて久しぶりでな、50になった頃から体の為だと言って赤ワインしか飲ましてくんないからさぁ。お前と会えてよかったよ」
テーブルの上に食べる物を並べると奥さんも先輩のとなりに座った。僕のほぼ真正面。武道家らしく、正座でおちつく姿が流石すぎて思わず息を飲む。僕の半分しか無いのではないかと思わせる小柄な体が大きく見えて
・・凛・・音が聞こえてきそうです。
せっかくだからと僕の買ってきた日本酒を小さなグラスで飲むと、
「わぁ!美味しい、久しぶりやね」と言って先輩の横顔をのぞき見た。最後の一口を飲み干すと「最近はこればかり飲んでるのよ。もう若くないから体の事も考えやんとね」と言いながら赤ワインをグラスに入れました。
所狭しと並べられた手料理の数々。
鮭のムニエル、きのこの炒め物、
鶏胸肉のバンバンジー、大根・ニンジン・セロリ・きゅうりの野菜スティック、らっきょの酢の物。
・・・・唸る・・ウウ・・・・
まるでボディビルダーのオフ食。
食事にもかなり気をつけてますよね、の一言に先輩がニヤリとして
「お前が (昔) 教えてくれた食事方をなカミさんがいろいろアレンジしてやってくれててな、おかげでほとんど外食もせんし体調もええ」
他に豆類、芋類、青魚、卵、鶏胸肉を中心にした肉類、黄緑野菜等バランスを考えて取っていて、朝はパンかご飯、卵2個分の料理と野菜サラダ、無脂肪牛乳は欠かさないそう。週に一度はその時食べたい物を目一杯食べるようにしていると言います。
(チートデーと呼ばれています)
僕が昔 (笑) お二人に実際に体で試してきたデータを冗談をまじえてお話した事は覚えていますが、あくまでも僕の体の中に持っているそれは10代、20代の時のものです。一考を要するのは (代謝) です。そうです、20代と50代では代謝が圧倒的にちがいます。
積み重ねて行く年代とは逆に食べる量は減らしていきます。
食べる物も選ばなければいけません。20代ではスタイルがよかった人も30代に入る頃には気をつけて行く必要があります。
とりあえず (脂質) をなるべく控えるようにするのはオススメです。
糖質、タンパク質も体の中で余った分は脂肪に変換されるだけではなく活性酸素を発生させる原因になる恐れがあります。適度な腹八分目は意識をしたい所ですね。
筋肉の量を少し増やすのもオススメです。ボディビルダーやプロレスラーのような巨大な筋肉は作ろうとしてもすぐには無理なお話です。
適度に発達した筋肉は確実にカロリーを消費してくれます。
(この後の文章に筋肉を鍛えるお話が出てきますので是非参考にして下さい)
もうひとつ、日誌をつける習慣をオススメします。今やってない人は「え〜!めんどくさ〜」って思われるかもしれませんが一度癖がつくと付けないと気が済まなくなります。
「最近、体調がおかしいな」と思ったら必ず筋肉の量が減っている時です。そんな時、記録しておけば見直す事ができますよね。「あ〜!このごろ肉食ってねえから、タンパク質たりね〜」ってな具合です。
家計簿を付けている奥様なら、端っこのほうにメモ書きでもいいと思います。カレンダーも有りですよね。
僕も若い時、記録していたトレーニング日誌には食べた物は書いていました。今のように情報が充実していなかった時代ですから自分の体で手探りしながら試していくしかなかったんですね。だからこそ (確信) の言葉でお話できる訳です。
もちろん先輩の奥さんも僕と知り合ってから書き始めた日誌は大き目のダンボールに二つ目だとか。
ちゃんと (代謝) に対応している所や、間食にナッツ類を取り入れているのも見事としか言えません。
(体の中で流れる血液や体液が汚れない事) をイメージしながら取り組んでいる。そう言うとクリッとした目を細めました。
糖化、酸化、抗酸化食品、トリプルファン等の言葉がまだ一般に使われていなかった時のお話です。
・・・・・なるほど・・・・・
若さの秘訣はご夫婦のエネルギッシュな生活環境にあったか・・・
1本目のお酒がアッと言う間に空になり二本目が半分ぐらいに減りかけた時、次男坊が会社務めから帰って来た。トレーニングジムで汗をかくのが毎日の日課だと奥さんから聞いたばかり。33歳になる長男は家庭を持ち仕事の関係で大阪にいると言います。
僕の記憶の中にいるこの兄弟は小さな小さなまだ・・子供のころ・・
なるほど、ご夫婦に似てやや細身ながら母親が作るバランスのいい食事とトレーニングのおかげか服を着ていても筋肉質な雰囲気が伝わってくる。169センチの身長がヒョロっと感を打ち消して。
なによりこの家にお邪魔してからずっと気にしていたのがご夫婦、そして次男坊の (姿勢) です。
内臓や骨、筋肉に良い影響をもたらす姿勢をキープするのは結構大変ですが、この家族は生活の中に基本が出来上がっているのでごく自然体で(頑張っている) 感がない。
武道やヨガは目立つ技はもちろんですが姿勢や呼吸法を大変重んじます。奥さんの影響がここでも。素晴らしいですね。
「こんにちは。母から電話もらって、りきさんがお見えになっていると聞いて、今日はどこにも寄らずに帰ってきたんです。突然でスミマセン、プロレスラーがするヒンズースクワットを教えて下い」母親似のクリッとした目をキラキラさせて言ってきた。
「りきさん、今何回ぐらいできますか?」の質問に、もう20年以上やってないからわからんな。等のやりとりをしながら一通りのフォームを教えると「少しでいいので一緒にやって下さい」次男が言うと奥さんが「りきちゃん!あかんよ!飲んでるんよ!」叱るように言ったが僕は教えているうちに忘れかけていたトレーニーの血がメラメラと (笑)
結局、奥さんがスタートを切る事に。
次男は独学で週に3回、100回やりこんでいるだけあって正しいフームが身につくと立ち上がりのスピードが全然違います。
(ヒンズースクワット。)
キング・オブ・エクササイズと言って自分だけでウケている (笑) 運動です。
ヒンズーとはインド人やヒンズー教徒の人達の事を言っているらしいです。プロレス界の父と言われている力道山先生が活躍していた頃にインド人のプロレスラーが日本に持ち込んだとされています。
まず、普通のスクワットとの違いは足の使い方と腕の振りです。
スクワットでは足全体で地面を押すようにして脚の筋肉を使って立ち上がります。又、手の位置は肩の前に出したり頭の後ろで組んだりして一か所に固定をします。
ヒンズースクワットでは足のやや前の部分、指の方ですね、そこに意識を置きます。そうする事でかかとが浮きぎみになりますが (リズミカルに回数をこなしたい) と言うエクササイズの特性上その方が都合がいいと言えます。
腕の振りは立った状態から腕を肩の前に出します。最初の間は特にこの初動動作 (セットポジション) を大事にして下さい。
ゆっくり腰を下ろしながら腕も下ろしていきます。これ以上腰を (下ろさない) 所まで来た時に手の位置は太ももの少し後ろに有るのが理想です。
足の3分の2ぐらいの前部分で地面を押しながらら太ももの前部分に意識しながら立ち上がります。
その時手の位置はセットポジションの所まで戻す必要は有りません。
立ち上がりながら太ももの、やや後ろにあった手は肘を曲げながら反動を使って肩の前まで持ってきて一回目が終了です。
膝の曲げる方向は足を肩幅ぐらいに開き爪先をやや外側に向けます。
そのまましゃがみ込んでいくと膝頭は足の中指あたりに向きます。個人差はありますがその辺は自然の動きにまかせて構いません。
初めて取り組む人は深くしゃがみ込む必要はありません。膝が90度になるまでに止めても大丈夫です。
無理をすると膝を痛めやすいので慣れてくるまでは、ゆっくりと一回一回を大事にやって下さい。
実行する回数としてはやはり個人差と年齢にもよりますが、初心者だと週に二回とか三回、10回を目安にするといいと思います。
無理な人はまずは一回からでも充分有りです。
慣れてくるとだんだん調子がつかめてきます。
一区切りの目標としては100回できれば一般ではかなりのレベルと言えます。
根気よく続けると確実に体力の向上が望めます。
比較的筋肉が付きやすい部位ですので代謝も良くなります。
階段を颯爽と駆け上がって息ひとつ乱れないなんてカッコいいですね。
尚、脚や膝に障害や何かの後遺症がある人は信頼のできる医師やスポーツトレーナーに相談が必要です。
大人気がないと思いながらも、どこかしらに負けられないと言う気持ちが働いたのか、結局、先輩がしてくれたカウントは奥さんのストップの声も有り、300回。
次男坊のカウントは奥さんで僕より50回遅れてやはり300回。
3人の驚いた顔が面白い。
「こんなに続けて出来たのはじめてです。教えてもらったフォームでやると凄く楽にできた感じがします」
次男坊の場合足先でバランスをとらずに手を振りあげていたので立ち上がりが不安定になっていたのを改善しただけ。たったこれだけの事ですが、結構奥が深いですね。
顔から止まらない汗を出している僕に奥さんがバスタオルを渡してくれながら「これだけブランクがあっても流石やね。でも、これから大変やでぇ、50代の体ナメたらあかんでぇ」そう言うとアハハと笑った。
次の日久しぶりの運動をした後の心地のいい気怠さの中で現場での打ち合わせが終わった頃、次男坊が電話をかけてきてくれて「りきさん!やり過ぎです。筋肉痛で動けません」
何を言うとるんや、若いんやからちぎれるまでやれとハッパをかけた後、また、機会があったら一緒にやろうなと言って笑い合った。
そして、さらに次の日、3日目の朝、脚にズキンと走る痛みと同時に目が覚めた。若い時にこの痛みは頻繁にあった。「あ〜懐かしいなぁ」等と言っている余裕は今はない。
ほとんど匍匐前進に近い状態で用を足しにいく僕をみてカミさんが
「アハハハハもう!いつまで若いつもりでいるんや。ウチら、もう半世紀以上生きとるんやでぇ」
!?!?!?!?!?!?!?!?
はっはっはんせええきいぃぃぃぃぃ
「これから大変やでぇ」チョット意地悪な小悪魔のような目で笑いながら僕に言った先輩の奥さんがまぶたの裏側でよみがえる。
「これが50代の・か・ら・だ・かぁぁぁ」
どんなに体が痛くたって・・・
・・そうです・・・やっぱり・・
頑張ろうぜ・・50代・・です・・
ありがとうございました。
ごめんください。